月額315円の活躍
まもなく敬老の日を迎えるにあたり、祖父に和菓子を送ろうと思い立った。
その時ふと下鴨にある「宝泉」を思いついたのだが、今でこそ名前や場所を説明できるけれどもその時は「下鴨に和菓子屋さんがあったな」としか至らなかった。
「宝泉」はそもそも京都新聞の記事や、そこを訪ねてわらび餅を食したという人から伝手で訊いていた程度。いままで一度も訪れたことはなく、何を出してくれるのかすら忘れていた。そんな状態でろくに調べもせずいきなり行ってしまったのだから情けない。
カナートに車を停め(ちゃんと食料品とかを後で買いましたよ、ちゃんと)、鴨川を渡り、多分このあたりと記憶している辺をうろついてみるもそれらしい店が見あたらず。名前も思い出せない。はて困った。このまま手ぶらで引き返してしまうのか。
そこでハタと閃いたのが「EZナビウォーク」。過度な期待を寄せてauに鞍替えしたは良かったが、そうそう普段から活躍する場面は数限りあり、それでも意味なく毎月315円を払い続けていたこの機能。ようやく日の目を見るときがやってきたのです。
現在地の周辺検索で「和菓子店」と検索すると、最寄り店舗の一覧が出てくる。「たしか漢字二文字だったような」と覚えていたので、「宝泉」の文字を見てすぐ「これだ!」と確信。あとはそこまで角を右や左と案内させればそれまでの労苦がうそのようにあっという間にめでたく到着。ひさびさに味わった満足感。ついに報われました(とはいえ、315円コースでは道路情報や鉄道運行情報が利用できるというもので、ならば別段315円コースでなくてもいいのでは?という当然の疑問が湧いてくるが、今回は問題を先送りにする)。
さていざ店にお邪魔すると、いろいろな和菓子とともに祖父の大好きな「水羊羹」を発見。さっそく注文したところ「こちらは“宝泉堂”で扱っているもので、さらに100mほど行っていただいたところにございます」…。なんと同じ系列にして別店舗。「そうですか」と生返事で店を辞するも場所をちゃんと確認せず、そして肝心のEZナビでも宝泉堂はヒットせず、けっきょくまたプチ迷子になってしまいました(宝泉から西にまっすぐ歩いていけば迷わず着いたんですけどね)。
こうして無事宝泉堂で水羊羹を祖父に送ってもらうようにし、そしてまた宝泉に戻り自分たち用に和菓子を幾つか求め、カナートへと戻っていったのでした。
今回は検索結果からすぐに店名を思い出すことができたものの、常には期待できず。せめて店名だけでも頭に入れて行動しましょう。