女子駅伝での最大の関心事

「未来くん」と聞けば、おそらく一定以上の年齢を経た京都人の頭の中にはひとつのシルエットが浮かぶに違いない。
1988年京都国体のマスコットキャラクター「未来くん」である。
そのキャラクターの際だった奇抜さや京都人からの「愛され(愛想尽かされ)度合い」については、
グレゴリ青山の漫画などからも充分推して知ることができよう。
また一部のコアな層からは逆に珍重というか非常に愛されてもいる。
以下のサイトでは歴代国体のキャラクター人気投票を行っているが、
未来くんはなんと14位(2007.1/16現在)と大健闘だ。なんと4票も入っている。
(個人的には愛知出身にとって、未だ票の入らぬ「シャッチー」に郷愁を感じるし、未来くんの上にある「極太親父」に惹かれるものを感じる。何者なのか。)
国民体育大会の歴代マスコットキャラクター人気投票

かくいう自身も、京都に来てから日も浅いため、実は目撃したのは1度しかない。
山城郷土資料館のロビーの片隅にひっそりとたたずむその姿は、なかなか忘れられるものではない。
グレゴリ青山によれば、一時は京都中を席巻した未来くんも、いまやその姿を探す方が難しいだろう。鞍馬温泉か官公庁以外では、奇特な方の手によって保存されている(放っぽられている?)くらいではないだろうか。

前置きがずいぶん長くなったが、京都に住めど今や風化しつつある未来くん(の消息)が、意外な形で昨日(1/15)の朝刊に見られたのである。
一昨日はまさに全国女子駅伝が京都都大路を駆けめぐり、京都が3連覇を成したという。主催する京都新聞は翌日、ずいぶんな紙面を割いてさまざまなニュースやエピソード、データを掲載していた。今のところネットでは見ることができないが、閉会式で毎年、優勝や各区間賞に加え、優秀選手賞、そしてなんと「未来くん賞」を表彰するのだ。
リンク先はたまたまだが第17回の様子
その未来くん賞、高校以下で目立った活躍をした選手に贈られるようだ。京都人以外(殊に高校以下の子達)にはそのネーミングの指すところは分からぬだろうし、京都人は受賞しても複雑な心境になるのでは無かろうか。
さらに調べてみると、未来くん賞は京都府が優秀な中学生以下に対して表彰(濫発)している賞だということが分かる。
京都スポーツキューブネット>京都府スポーツ賞表彰規程

(被表彰者の決定)
第3条 京都府スポーツ賞は、特別栄誉賞、功労賞、優秀賞、特別かがやき賞、かがやき賞及び
    未来くん賞とし、それぞれの被表彰者は、次の各号に掲げる区分に応じ、当該各号に定
    めるもののうちから知事が決定する。
 (1) 特別栄誉賞 スポーツに関し、特に顕著な成果又は功績のあったもの
 (2) 功労賞 多年にわたり優秀な選手の育成及び体育・スポーツの振興に功績のあったもの
 (3) 優秀賞 スポーツに関し優秀な成果を収めたもの
 (4) 特別かがやき賞 スポーツに関し、特に多年にわたり優秀な成果を収めたもの
 (5) かがやき賞 スポーツに関し、多年にわたり優秀な成果を収めたもの
 (6) 未来くん賞 中学生以下の者でスポーツに関し優秀な成果を収めたもの
2 前項の規定による決定は、別に定める京都府スポーツ賞選考委員会の選考を経て行う。

平成17年度の未来くん賞受賞者は個人で53人いたそうだ。

こうして細く長くしぶとく、未来くんは京都人の心の中に生き続けていくのだろう。もしかしてひょっとすると、次に京都で国体があるその時、捲土重来を期するやも知れぬ。それは果たして、愛されているが故なのか、またキャラクターを考えるのがめんどくさいからなのか、倉庫にひっそりと表に出せぬ人形などの在庫を抱えているからなのかはわからないが。

未来くんのお姿を拝したくば、ここを押がよい。(無断リンク)

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